GIANT ESCAPE R3 注文編
小さな町を歩き回ると、自転車屋さんには3種類種類あるようです。1つは先日訪問して、なんかうまいこと行かなくって尻尾を巻いて帰ってきた大手チェーン。
残る2種類は個人経営の自転車屋さん。今回はESCAPE R3を手に入れるため、前回果たせなかった「個人経営のお店の発掘」を試みました。さあ、探すぞー!サーチ&デストロイ!
ケースA
まずは超近所にある小さな自転車屋さん。おそらくはBBA奥様の日々のトランスポーターであるママチャリのパンクを直したりブレーキを調整したりロケットエンジンを後付けしたりと、大きな商売ではないけど町に必要とされている仕事を確実にこなすお店。このような店は頑固爺を煮詰めて結晶化させたような純頑固爺がぶっきらぼうに接客し
「自転車の気持ちになんねえからこんな事になるんだ」
「す、すみません」
「俺に謝ったってしょうがねえだろ!」
「はい」
「……夕方また来な」
「えっと、夕方までに修理できるんですか?」
「こいつがお前を許してくれるかは知らねえけどな。今後はきっちり面倒見てやるんだぞ」
「はい!」
みたいなやり取りをするんですよね?かっけー!元プロレーサーだったけど怪我で夢をあきらめて実家を継いだ店主が、若い自転車乗りの青臭い、けれども熱い眼差しに眉をひそめながら結局は裏に転がってた昔のロードバイクを整備してくれて、そのマシンで主人公が栄光を勝ち取るんですよね?しびれる―!と、ワクワクしながら目星をつけていたお店に行ったら定休日。イギーポップでも上着着そうなくらい心が寒い。もう今日は自転車あきらめて、あなたの犬になってひきこもろうかとも思いましたが、もう一軒だけ。
ケースB
先ほどの定休日だったお店から割と近く。田舎町なのにこんなにそばに2軒の自転車屋さんがあるなんて不思議ですが、きっと客層が全く違うんでしょうね。常連客が停めている自転車なのか、それとも売り物なのか判断がつかないロードバイクが店の前に並び、店内では何やらレーシーないでたちをした男性達が飲み物を片手に談笑しています。なんていうかぶっちゃけ非常に入りにくい。一応革ジャンやドクターマーチンは避け、唯一持っているスニーカーである俺のアディダスを履き、動きやすい恰好で寄せたつもりでしたが、全然でしたね。
店内に踏み込んだら、ハウス系のクラブイベントに間違ってブッキングされた竹原ピストルさんになったぐらいの違和感。しかし彼も言っています。誰ぞの人差し指とは真逆の方向に疾走する一枚の自走式歯車。ここは踏み出すしかないですね。
「あ、すいませーん、自転車……見せてもらってもいいですか?」
「お、なんだかひょろひょろした坊ちゃんが入ってきたぜ?」
「ほんとだよ、見てみろよあの格好。乗れそうもねえな」
「おおかたママに手を引いてきてもらったんだろうよ」
「ちげえねえ笑」
「おい、ここにゃお前さん向けの補助輪付きはねえよ!」
「いや……俺はGIANTを……」
「おい、今こいつGIANTとか抜かさなかったか?」
「まさかそんなはずねえだろ笑」
「おい小僧、いつまでもおかしな恰好してうろついてるとそのケツにチェーンオイルぶち込むぞ」
みたいなこともなく、丁寧な接客でしたよ。
そして
僕が選んだのは2018年モデル、ライムイエローのESCAPE R3。ほんと色オンリーで決めました。その昔、ギターも黄色くてかっこいいという理由でジョニーサンダースの使ってたレスポール選んだし。
なんで2017年の夏なのに2018年モデルなんだろう?とか、ライムイエローって、ライムの皮の色じゃなくて果肉の色の事なのかな?とか、大森靖子 さんとYogee NewWavesはもう同じイベントにブッキングされることはないんだろうか?など、いろいろな事を考えながらとりあえず注文。
サイズはM。納期は3週間後。3週間!?え!?そんなにかかるもんなの?って思いましたが、自転車界ではそれが早いのか遅いのかもよくわからなかったので、平気なふりをして帰ってきましたとさ。